第14回ボタンダウンクラブの会
伊万里の焼き物に囲まれて、懐石弁当を食べながら、ミッキーの落語を楽しむ
長かった冬の寒気がやっとゆるみ始めた4月1日(エイプリルフールではありません)東京は代官山の真ん中にある有田焼のショップ「OLD IMARI 代官山」のカフェに80名の会員の参加を得て、立川流落語の真打ちミッキー亭カーチス師匠の落語を楽しむ夕べが開かれた。ミッキー・カーチス氏は当ボタンダウンクラブ応援団の中心的メンバーで、いつもながらボランテアで会員のために一肌脱いでくれてこの楽しい寄席が実現した。定刻の午後7時には会場は満員となり、先ずミッキー師匠の一番弟子のミッキー亭センベーさんが前座として登場。お得意の津軽三味線を見事なバチさばきで披露した。景気のよいその音に満場やんやの喝采、大いに湧いた。続いて本日の主役ミッキー亭カーチス師匠が出囃しに乗って高座に上がった。この出囃しが何とあのチューチュートレインを三味線で演奏したもので、その洒落っ気に一同びっくりするやら感心するやら。
勝新を思わせる堂々たる風貌のミッキー亭センベーさん。津軽三味線のいろいろなひき方を解説を混じえて披露し喝采を浴びる。
何千もの有田の焼物が展示されている ショウルーム内の懐石レストラン「OLD IMARI 代官山」では80名の参加者が大いに笑った。
この日のカーチス師匠の演目は「あくび指南」。古典中の古典とも言えるこの話は、何の生産性もないあくびの仕方を教えてくれるという先生のところへ、1人で行くのは恥ずかしいからクマさんを連れて行こうというのが普通なのだが、クマさんの代わりにミッキーお得意の隣の長屋に住む外人が登場する。英語を混じえた当意即妙のやりとりが面白い。
落語が終わったところで食事と談笑タイムに入り、参加者の皆さんは何千もの有田の焼物に囲まれて、料理長岸剛志氏が腕を振るった懐石弁当をお酒と共に楽しんだ。しかしこの日のお楽しみはこれだけでは終わらなかった。ミッキー師匠がもう1つの本職である音楽の仲間で、ブルースハーモニカの名手、西村ヒロ氏を連れてきてくれたのである。ヒロさんは実はミッキーのハーモニカの先生でもあり、その実力の程は音楽の世界ではよく知られている。飛び入り参加してくれたヒロさんがハーモニカ1本でじっくりと聴かせてくれたのは「赤トンボ」とスペインの名曲「アランフェス」。会場はシーンと静まりかえり哀愁を帯びたその音色に聴き入った。さらにミュージシャンに戻ったミッキーが加わってハーモニカの競演となった。
ボタンダウンクラブ寄席が開かれたのは伊万里の焼物で有名な佐賀県有田の窯元の大手(株)アリタが東京は代官山に開いたショップ内の懐石レストランで、昼は懐石弁当、夜は懐石料理が手ごろな値段で食べられる。
このところ比較的小さな規模のイベントが続いたボタンダウンクラブの会であったが、久々に80名という大勢の会員が参加され、何千という多彩な焼物に囲まれての寄席と食事は大いにもりあがりました。ご参加の皆さんありがとうございました。次回は5月23日です。詳細は追ってお知らせいたします。お楽しみに。