ロックンロールを盛んにやっていた若い頃からジョークが大好きで、いつも人を笑わせていたミッキー・カーチスは、好きが嵩じて遂に落語(立川流)の真打ちにまで昇りつめた。半分外人の顔をした落語家というのは一寸珍しいが、その彼がやる落語は中途半端なものではなく、れっきとした古典落語なのである。ミュージシャンとしてのミッキーはよく知っていても、彼の落語をちゃんと聞いたことがない人が多いというので、「第5回BDCの会」はそのミッキーの古典落語をじっくり聞こうということになった。以前VANのTAKE IVYという販促イベントによく出ていたこともあって、今回のBDCのイベントではその頃のことを思い出して、映画「TAKE IVY」の上映とミッキーの落語とを組み合わせたものとなった。
1960年代初めにVANがアメリカ東海岸のアイビーリーグ8大学で撮影した16ミリフィルムがよい保存状態で見つかり、2003年10月20日16ミリ映画を上映しているシアターレストラン「オーゴッド」(BDC会員の村上元さんの店)を借り切っての楽しいイベントとなった。参加人数は100名を超え熱気溢れる会場に紋付きで登場したミッキー亭カーチス師匠は「饅頭こわい」という古典落語の定番を一席ぶったが、話の中に外人が出てくるという一風変った落語で、ミッキーの当意即妙の英語混じりのはなし振りは満場を湧かせた。
また、映画「TAKE IVY」は保存状態のよいネガから新たにプリントを起こしたもので、16ミリの映写機から直接映写するというノスタルジックなイベントとなった。この「TAKE IVY」は今後各地を回っての映写会が予定されている。